「ロシアへの制裁は有効か、答えはイエスだ」…ジョセップ・ボレルEU外相が寄稿

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 制裁が第三国、特にロシア、ウクライナ産の小麦や肥料に依存するアフリカ諸国に与える影響をめぐり、食糧危機の責任がどこにあるかは明確だ。EUの制裁はロシア産の小麦や肥料の輸出を一切標的にしていないが、ウクライナは黒海の封鎖やロシアの侵略による破壊によって、小麦の輸出を阻まれている。

 我々の制裁に関連し、そのような問題が仮に起きた場合、適切な措置を取って対処する用意がある。私はこのことをアフリカ諸国の相手方に伝え、我々の制裁措置をめぐるロシア当局の不実な情報に惑わされないよう呼びかけてきた。

 世界のエネルギー・食料市場における諸問題に対する真の答えとは、戦争を終わらせることである。これは、ロシアの独善的な命令を受け入れることによっては達成できず、ロシアのウクライナからの撤退によってのみ実現されるのである。

 諸国家の領土一体性の尊重と武力の不行使という原則は、欧米特有のものというわけではない。これらの諸原則は全ての国際法の基礎をなすものである。ロシアはそれを平然と踏みにじっている。このような侵害行為を受け入れれば、弱肉強食のおきてが地球規模で根付くことにつながってしまう。

 我々がほんの数年前まで無邪気に考えていたのとは対照的に、経済的な相互依存というものは、国際関係が平和になっていくことを自動的に意味するわけではない。私が就任当初から訴え続けてきたように、欧州は、影響力を有する存在へと移行することが必要不可欠なのである。

 ウクライナ侵攻に直面している我々は、挑発された時には欧州として対応できるということを示しており、そのことによって、意図から行動へと移行し始めたのである。EUはロシアとの戦争を望んでおらず、侵略に対する対応は経済制裁が中核をなしている。こうした措置はすでに効果を上げ始めており、今後数か月でさらに高まるだろう。

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